※ 料金は2026年9月時点で各社の公式料金ページを確認したものです。すべて税込。決済手数料は各サービスで最も安い決済方法のものを使っています。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
ネットショップ作成サービスの比較記事は、たいてい「機能が多い」「デザインがおしゃれ」「初心者に優しい」で並んでいます。読んでも決まりません。どれも当てはまってしまうからです。
決め手になるのは、実際には一点だけです。月額と手数料率の組み合わせが、自分の月商でいくらになるか。
デザインは後から変えられます。手数料の構造は変えられません。この記事では6社の料金をすべて同じ土俵に載せて、月商いくらでどれが最も安くなるかを計算します。
結論:月商で乗り換え先は決まる
先に答えを出します。客単価5,000円、決済は各社で最も安い方法、年間契約を選んだ場合の比較です。
| 月商 | 費用が最も安い |
|---|---|
| 〜約17万円 | STORES フリー(月額0円・5.5%) |
| 約17万〜70万円 | STORES スタンダード(3,300円・3.6%) |
| 約70万〜230万円 | STORES スタンダード/Shopify ベーシック/カラーミー レギュラーが月数百円差で並ぶ |
| 約230万円〜 | BASE グロース(16,580円・2.9%) |
そして、この計算から出てきた意外な結論が1つあります。
BASE のスタンダードプランは、費用だけで見るとどの月商でも最安になりません。理由は後述しますが、「月額0円」という表示に対して実質料率が高いためです。BASEを選ぶ理由は費用以外にあります。
6社の料金一覧
| サービス/プラン | 初期費用 | 月額(年契約) | 決済手数料 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| STORES フリー | 0円 | 0円 | 5.5%〜 | — |
| STORES スタンダード | 0円 | 3,300円(月払3,960円) | 3.6%〜 | — |
| BASE スタンダード | 0円 | 0円 | 3.6%+40円 | サービス利用料3% |
| BASE グロース | 0円 | 16,580円(月払19,980円) | 2.9% | — |
| カラーミーショップ レギュラー | 3,300円 | 4,950円 | 3.4%〜 | — |
| Shopify ベーシック | 0円 | 3,650円(月払4,850円) | 3.55% | — |
| easy myShop スタンダード | 3,300円 | 3,900円(3〜11ヶ月契約は4,230円) | 決済方法による | 販売手数料なし |
初期費用が0円でないサービスが2つあります。カラーミーショップと easy myShop はどちらも3,300円。「初期費用0円」を全社共通だと思って進めると、ここで予算がずれます。
「月額0円」の落とし穴
無料プランを比べるときに見なければならないのは、月額ではなく実質料率です。
BASE スタンダードの実質料率
BASEのスタンダードプランは月額0円ですが、売れたときに2つ引かれます。
- 決済手数料 3.6%+40円
- サービス利用料 3%
合計で6.6%+40円/件。客単価5,000円なら40円は0.8%に相当するので、実質7.4%です。
この「固定額÷客単価」の効き方と、決済手段の構成でどれだけ料率がずれるかは「ネットショップの決済手数料は表示料率では決まらない|実質料率を出す3つの補正」で詳しく計算しています。
STORES フリーの実質料率
STORESのフリープランは月額0円、決済手数料5.5%〜、件数あたりの固定額はありません。実質5.5%。
比べると
| 月商 | BASE スタンダード | STORES フリー |
|---|---|---|
| 5万円 | 3,700円 | 2,750円 |
| 10万円 | 7,400円 | 5,500円 |
| 30万円 | 22,200円 | 16,500円 |
同じ「月額0円」でも、月商30万円で年間6万円以上の差になります。
固定額40円が効くので、客単価が低いほどBASEは不利です。客単価2,000円なら40円は2%に相当し、実質料率は8.6%まで上がります。
BASEを選ぶ理由があるとすれば、それは費用ではなく、独自ドメインなしで始められる手軽さや、Apps による拡張、デザインの好みです。費用で選んでいるつもりなら、計算し直してください。
乗り換えの損益分岐点
無料プランから有料プランに切り替える境目を、実際に計算します。
STORES フリー → スタンダード
月額3,300円を払う代わりに、料率が5.5%から3.6%へ、1.9%下がります。
3,300円 ÷ 1.9% = 173,684円月商が約17万円を超えたら、スタンダードのほうが安くなります。
これは記事「ネットショップ開業にかかる費用の全内訳」でも触れた数字です。開業前に覚えておく価値がある一本の線です。
BASE スタンダード → グロース
月額16,580円を払う代わりに、実質7.4%が2.9%へ、4.5%下がります。
16,580円 ÷ 4.5% = 368,444円月商が約37万円を超えたら、グロースのほうが安くなります。(客単価5,000円の場合。客単価が高いほど固定額40円の影響が薄れ、分岐点は45万円まで上がります)
STORES スタンダード → カラーミーショップ レギュラー
月額が1,650円上がる代わりに、料率が0.2%下がります。
1,650円 ÷ 0.2% = 825,000円月商が約82万円を超えたら、カラーミーのほうが安くなります。ただしこの差は月商100万円でも月1,000円程度です。この帯では費用で決めないほうがいいというのが実務的な結論です。
料金表に出てこない3つの費用
比較表だけ見て決めると、後から出てくる費用があります。
1. 決済手数料の「〜」
各社が表示している料率は、最も安い決済方法のものです。
- STORES:PayPay残高・Amazon Pay・あと払いはフリー6.5%/スタンダード4.6%
- BASE:PayPay・Amazon Pay・PayPalは+1%
- カラーミー:後払い4.0%〜。PayPayや楽天ペイを使うには月額2,200円が別途
買われる決済手段が何かは、扱う商品と客層で決まります。若い層向けならPayPay比率が高くなり、表示料率と実際の負担がずれます。
2. 年間契約と月払いの差
上の表の月額はすべて年間契約の金額です。月払いにすると上がります。
| サービス | 年契約 | 月払い | 年間差額 |
|---|---|---|---|
| STORES スタンダード | 3,300円 | 3,960円 | 7,920円 |
| BASE グロース | 16,580円 | 19,980円 | 40,800円 |
| Shopify ベーシック | 3,650円 | 4,850円 | 14,400円 |
年契約は「1年は続ける」という判断とセットです。まだ売れるか分からない段階で年契約を選ぶのは、割引ではなく前払いです。
3. 振込手数料
売上を自分の口座に移すときの手数料です。サービスごとに条件が違い、振込金額が少ないほど比率として重くなります。月1回にまとめるだけで年間数千円変わります。
タイプ別の選び方
計算だけでは決まらない部分を整理します。
まだ売れるか分からない
STORES フリー。月額0円で、料率もこの帯では最安です。月商17万円を超えたらスタンダードへ切り替えます。
すでに月商20万円以上の見込みがある
STORES スタンダードか easy myShop スタンダード。easy myShop は初期3,300円がかかりますが、販売手数料がなく、決済手数料の設計が自分の決済構成と合えば有利になることがあります。
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商品点数が多い・カスタマイズしたい
カラーミーショップ。初期3,300円・月額4,950円と固定費は高めですが、料率が3.4%〜と低く、月商が大きくなるほど効いてきます。会員登録は無料なので、料金表で迷ったら管理画面を先に触って比べるのが早いです。
海外にも売る・多通貨が必要
Shopify。費用はSTORESスタンダードとほぼ同額ですが、多通貨・多言語や海外配送の設計が最初から入っています。国内だけならこの強みは効きません。
まとめ
- 決め手は機能ではなく、月額と料率の組み合わせが自分の月商でいくらになるか
- 月商17万円が、STORESフリーからスタンダードへ乗り換える線
- 月商37万円が、BASEスタンダードからグロースへ乗り換える線
- BASEスタンダードは費用だけで見ると最安にならない。実質6.6%+40円/件で、客単価が低いほど不利
- 初期費用0円は全社共通ではない。カラーミーと easy myShop は3,300円
- 表示料率は最安の決済方法のもの。実際に使われる決済手段で計算し直す
- 年契約は割引ではなく前払い。売れるか分からない段階では月払いから
月商70万〜230万円の帯では、上位3サービスの費用差は月数百円です。この帯まで来たら、費用ではなく運用のしやすさで選んでください。それより下の帯は、計算どおりに選ぶだけで年間数万円変わります。
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この記事について
筆者はWebマーケティング・EC運営のフリーランスとして、複数のブランドで自社ECおよびモール店舗の運営に携わっています。料金は2026年9月時点で各社の公式料金ページを確認したものです。料金・プラン構成は変更される場合がありますので、契約前に必ず公式サイトをご確認ください。


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