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自治体のEC・ホームページ補助金の探し方|国の補助金と併用できるか

自治体のEC・ホームページ補助金の探し方をまとめた図 補助金
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ネットショップで使える補助金は、国の制度だけではありません。都道府県や市区町村が、独自にECサイト制作・販路開拓・デジタル化を支援していることがあります。ただ、自治体の補助金は情報が各サイトに分散していて、見落としがちです。

この記事では、自治体の補助金を効率よく探す方法と、国の補助金と併用するときの注意点を整理します。探す場所は4つあり、それぞれカバーしている範囲が違います。そこを押さえないと、同じ範囲を何度も見て「自分の地域には何もない」と結論づけることになります。

この記事の結論

  • 探す順番は、J-Net21(国・都道府県)→jGrants(国・都道府県・市区町村)→自治体サイト→商工会・商工会議所
  • J-Net21「支援情報ヘッドライン」の公式の説明は「国・都道府県の支援情報」。市区町村の補助金は、そもそもこの一覧の対象範囲に入っていない
  • jGrantsには市区町村の補助金も載っている。ただし「EC」「ECサイト」「ネットショップ」で受付中に絞ると、2026年10月24日時点でそれぞれ1件しか出ない。キーワードではなく対象地域で絞るのが正解
  • jGrantsの申請にはGビズIDプライムかメンバーが必要で、エントリーでは入れない。一方、自治体独自の電子申請システムは、GビズIDの行政サービス一覧に載っている154件のうち140件がエントリーでも使える
  • 持続化補助金の公募要領が重複を禁じているのは「国が助成するほかの制度」。自治体の補助金を一律に禁じる記述はない。ただし同一内容で国の補助事業と併願していること自体が「重複して採択しない」理由になる
  • 国と自治体の補助金は、同じ経費に重ねて使えないのが原則。経費を分けて計画する

※2026年10月24日時点。小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領(第8版)、J-Net21「支援情報ヘッドライン」、jGrants(デジタル庁)の公開データ、GビズID「行政サービス一覧」をもとに作成しています。自治体の補助金は年度途中で受付が終わることも多いため、最新情報は各自治体で確認してください。

自治体の補助金の特徴

同じ「補助金」でも、国の制度と自治体の制度は性格が違います。

国の補助金

  • 対象者:全国の事業者
  • 補助額:比較的大きい
  • 応募者:全国の事業者と並ぶ
  • 情報:まとめサイトが多く、探しやすい

自治体の補助金

  • 対象者:その地域に事業所がある事業者
  • 補助額:数万〜数十万円程度のものも多い
  • 応募者:地域内の事業者に限られる
  • 情報:自治体ごとに分散していて見つけにくい

金額は小さめでも、応募できるのが地域の事業者に限られるため、国の補助金より使いやすいケースがあります。

探し方①:J-Net21「支援情報ヘッドライン」

独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の「支援情報ヘッドライン」では、補助金・助成金、セミナー・イベントなどの支援情報をまとめて検索できます。

最初に押さえておきたいことがあります。このページの公式の説明文は「企業経営や創業に役立つ国・都道府県の支援情報(補助金・助成金、セミナー・イベントなど)がまとめて検索できます」です。つまり市区町村の補助金は、設計上この一覧の対象範囲に入っていません。「J-Net21で見つからなかったから自分の市には補助金がない」という読み方は成り立ちません。

使う順番は、カテゴリ → 地域 → キーワードです。

  1. カテゴリで「補助金・助成金・融資」を選ぶ(ほかに「セミナー・イベント」「その他」)
  2. 地域名のボタンで都道府県を選ぶ
  3. 「EC」「ホームページ」「販路開拓」「デジタル」などのキーワードで絞り込む

新しい情報を逃さないよう、受け取る側を自動化できます。RSSは「補助金・助成金・融資」「セミナー・イベント」「その他」の3種類に分かれているので、補助金だけを受け取れます。メールのほうがよければ「J-Net21 新着情報メールマガジン」があり、国・自治体・支援機関による公的支援情報を無料で配信しています。

探し方②:jGrantsを「対象地域」で絞る

jGrantsは補助金の電子申請システムですが、申請する前の「探す」用途でも使えます。そして国の補助金だけのポータルではありません。都道府県や市区町村の補助金も載っています。

2026年10月24日時点で受付中のものを検索すると、たとえばこうした市区町村の補助金が出てきます。

  • 【久留米市】久留米市小規模事業者デジタル化支援補助金(令和8年度)/福岡県
  • 【福岡県宗像市】令和8年度 宗像市がんばる中小企業者応援補助金/福岡県
  • 【長野県茅野市】受注及び販路開拓支援事業補助金/長野県

キーワードで探すと、ほとんど何も出てこない

ここが実務上のポイントです。jGrantsのキーワード検索で受付中に絞ったときのヒット件数は、2026年10月24日時点でこうなっていました。

  • 「EC」1件/「ECサイト」1件/「ネットショップ」1件
  • 「通信販売」0件/「電子商取引」0件
  • 「デジタル化」6件/「販路開拓」7件
  • 「補助金」226件

自治体の補助金は「デジタル化支援」「がんばる中小企業者応援」のように広い言葉で名前が付いているため、EC関連の語では引っかかりません。キーワードを入れずに、対象地域で絞って一覧を眺めるほうが確実です。jGrantsは対象地域のほかに、従業員数や利用目的でも絞り込めます。

掲載件数は自治体の対応状況でかなりばらつきます。同じ条件(キーワード「事業」・受付中)で対象地域だけを変えると、東京都102件・福岡県14件・大阪府9件でした。自分の都道府県の件数が少ないことは、補助金がないことを意味しません。jGrantsに載せていないだけという可能性があります。だから探し方③と④が必要になります。

実例:久留米市の補助金はどういう条件か

自治体の補助金が国の制度とどう違うかは、実物を見るとわかりやすいです。上に挙げた久留米市の補助金は、jGrantsの掲載内容ではこうなっています。

  • 補助率:1/2
  • 補助上限:20万円
  • 受付期間:2026年6月23日〜12月28日
  • 対象:従業員20人以下(商業またはサービス業を主たる事業として営む場合は5人以下)の小規模事業者
  • 要件:久留米市内に事業所を有すること/市税を滞納していないこと/久留米市中小企業DX促進診断事業を利用していること
  • 根拠:久留米市小規模事業者デジタル化支援補助金交付要綱、久留米市補助金等交付規則

注目したいのは後ろの2つです。市税の滞納がないことは国の補助金では問われない要件で、先に市の別の支援事業(この例では診断事業)を使っていることが前提になっているのも自治体の補助金に特徴的な形です。見つけてから申請できる状態になるまでが、国の補助金より長くなることがあります。

要件の根拠が法律ではなく交付要綱である点も国の制度との違いです。要綱は年度ごとに改められるため、前年度の条件をそのまま当てにできません。

探し方③:自治体と商工会・商工会議所のサイト

市区町村の補助金は、まとめサイトにもjGrantsにも載っていないことがあります。次のページを直接確認しましょう。

  • 都道府県・市区町村の「産業振興」「商工」「中小企業支援」のページ
  • 自治体の外郭団体(産業振興センター・中小企業振興公社など)
  • 地元の商工会・商工会議所のお知らせ

商工会・商工会議所は、持続化補助金の事業支援計画書(様式4)の発行窓口でもあります。相談に行くときに、自治体の補助金もあわせて聞くと効率的です。

ただし、持続化補助金を狙うなら日程に注意が必要です。第20回では様式4の発行の受付締切が2026年12月4日(金)で、公募要領には「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と書かれています。申請受付締切(2026年12月15日17:00)より11日早く閉まります。

もう一点、公募要領は「本事業は、小規模事業者自身が、経営計画・補助事業計画等の策定時や採択後の補助事業実施の際に、商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業です。このため、社外の代理人のみで、地域の商工会・商工会議所へ相談や『事業支援計画書(様式4)』の発行依頼等を行うことはできません」と定めています。誰に頼めるか・頼めないかは補助金の申請書は誰に頼む?で整理しています。

探し方④:検索エンジンで探す

検索で拾うときは、地域名と目的語を組み合わせます。

  • 地域名+EC 補助金:ECサイト構築・モール出店の支援
  • 地域名+ホームページ 補助金:ウェブサイト制作の支援
  • 地域名+販路開拓 補助金:展示会出展・広告などの支援
  • 地域名+デジタル化 補助金:ITツール・キャッシュレス導入の支援
  • 地域名+創業 補助金:開業時の費用の支援

検索結果に出てきた情報は、年度を必ず確認しましょう。前年度の募集ページが残っていることがよくあります。自治体の補助金は交付要綱が年度ごとに改められるため、金額や要件が変わっていることもあります。

GビズIDは、どの種別が必要か

見つけたあとに意外と詰まるのがここです。国の補助金と自治体の補助金で、必要なGビズIDの種別が違います。

GビズIDの「行政サービス一覧」(省庁・自治体)で確認できる内容は、2026年10月24日時点でこうなっています。

  • Jグランツ:利用できるのはプライムとメンバー。エントリーでは入れません
  • 自治体が提供するサービス:一覧に154件が載っており、そのうち140件はエントリーでも使えます(札幌市オンライン申請システム、北海道電子申請サービス、青森県電子申請サービスなど)
  • 一覧に載っているのは省庁のサービスが70件、自治体のサービスが154件

エントリーは審査なしで作れるアカウントで、プライムは審査を伴います。つまりIDの準備という点では、自治体独自のシステムのほうが入口が低いということです。逆に、jGrantsで申請する補助金(国の制度も、jGrantsに載っている自治体の制度も)を狙うなら、プライムの取得が先に来ます。発行にかかる期間と逆算はGビズIDプライムの取り方にまとめました。

なお、この一覧には「行政サービス側の都合により、一覧に掲載していないサービスもあります」と注記があります。ここに載っていない自治体のシステムもあるので、最終的には申請先の案内で確認してください。

国の補助金と併用するときの注意

「国と自治体は併用できない」と一括りに書かれることが多いのですが、持続化補助金の公募要領を読むと、禁止されている範囲はもっと限定的で、代わりに別の落とし穴があります。

公募要領が禁じているのは「国が助成するほかの制度」との重複

補助対象外経費の第1項目は「国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費」です。あわせて、申請の注意事項にこう書かれています。

「持続化補助金では、同一の補助事業(取組)について、重複して国の他の補助金を受け取ることはできません。他の補助金を受給しているか受給予定の方は、補助金を受け取ることが可能か、必ず、双方の補助金事務局等に、あらかじめご確認ください」

読み方は2つあります。1つは、条文の対象は「国の」補助金だということ。自治体が独自の財源で出している補助金を一律に禁じる記述は、公募要領にはありません。もう1つは、判断を自分でしてはいけないということ。公募要領は「双方の補助金事務局等に、あらかじめご確認ください」と明記しています。自治体の補助金が国の交付金を財源にしている場合もあるため、ここは必ず両方に聞くところです。

同一内容での「併願」そのものが不採択の理由になる

見落とされやすいのがこちらです。公募要領の留意事項には、こうあります。

「同一事業者が同一内容で本制度以外の国の補助事業や委託事業等と併願している場合には、不合理な重複および過度な集中を排除するため、重複して採択いたしませんのでご留意ください」

つまり「両方に出して、通ったほうを使う」という進め方は想定されていません。受け取る段階ではなく採択の段階で落とされます。また、小規模事業者持続化補助金の<創業型>との重複申請もできません。

実務上の組み立て方

  • 同じ経費に重ねない:ひとつの経費に複数の補助金を使うことは、多くの場合認められません
  • 経費を分ける:たとえば「ECサイト制作は国の補助金、展示会出展は自治体の補助金」のように分ける
  • 取組の内容も分ける:経費を分けても「同一内容」と見られると併願の問題が残ります。申請書に書く取組そのものを別にしておく
  • 併用ルールを双方に確認する:自治体側が、国の補助金を受けている事業自体を対象外にしていることもあります
  • 交付決定前の発注に注意:自治体の補助金も、交付決定前の発注を対象外にしているものが多いです。国の補助金での落とし穴は発注タイミングの記事で詳しく書きました

国の補助金の全体像はネットショップ運営者が使える補助金一覧2026で整理しています。

見つけたら確認したいチェックリスト

  • 自分の事業所の所在地が対象地域に入っているか
  • 業種・規模(従業員数など)の要件に当てはまるか。商業・サービス業だけ人数の上限が小さいことがある
  • 受付期間と、先着順かどうか
  • 対象経費にECサイト制作・広告などが含まれるか
  • 税の滞納がないことが要件になっていないか(自治体の補助金では珍しくありません)
  • 先に別の支援事業(診断・セミナー・登録など)を使っていることが前提になっていないか
  • 国の補助金との併用ができるか。経費だけでなく「取組の内容」が重なっていないか
  • 交付決定前に発注していないか
  • 申請にGビズIDが必要か。必要なのはプライムか、エントリーで足りるか(取り方はこちら)
  • 根拠が交付要綱の場合、今年度版を見ているか

まとめ

  • 探す場所は4つ。J-Net21(国・都道府県)、jGrants(市区町村も載る)、自治体サイト、商工会・商工会議所。カバー範囲が違うので、1つで完結しない
  • jGrantsはキーワードではなく対象地域で絞る。EC関連の語ではほとんどヒットしない
  • 金額は小さめでも、応募者が地域内に限られ使いやすいことがある
  • 国の補助金との関係では、同じ経費に重ねないことと、同一内容で併願しないことの2つを分けて考える
  • 併用の可否は自分で判断せず、双方の事務局に事前に確認する

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参考資料

最終確認日:2026年10月24日

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