「ネットショップで使える補助金はどれか」を調べると、制度の名前ばかりが並んでいて、自分に関係があるのかが分かりにくいものです。この記事では、2026年度の国の主な補助金をネットショップ運営者が何に使えるかという目線で整理します。
先に結論
- ECサイトを作る・広告を出す → 小規模事業者持続化補助金(申請締切 12月15日)
- 受注管理・会計・決済などのソフトを入れる → デジタル化・AI導入補助金(ECサイト制作は対象外)
- 検品・出荷などの作業を機械で減らす → 中小企業省力化投資補助金
- ECで新しい事業・新商品に挑戦する(投資規模が大きい) → 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
※2026年10月19日時点の情報です。公募要領は改版されることがあるため、申請前に必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。
やりたいこと別:ネットショップで使える補助金の早見表
| やりたいこと | 候補になる補助金 | ひとこと |
|---|---|---|
| ECサイトの新規構築・リニューアル | 持続化補助金 | ウェブサイト関連費(上限30万円・単独不可) |
| ネット広告・SNS広告 | 持続化補助金 | 広報費(上限30万円・単独不可) |
| 受注・在庫管理システム、会計ソフト | デジタル化・AI導入補助金 | 登録されたITツールのみ。IT導入支援事業者と申請 |
| POSレジ・タブレット(実店舗併用) | デジタル化・AI導入補助金(インボイス枠) | ハードウェアはインボイス枠のみ対象 |
| 検品・梱包・出荷の省人化 | 省力化投資補助金 | カタログ注文型は随時受付 |
| 新商品開発・新規事業への設備投資 | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 数百万〜数千万円規模向け |
1. 小規模事業者持続化補助金
従業員が少ない事業者の販路開拓を支援する補助金です。ネットショップの立ち上げやリニューアル、広告など、EC事業者がいちばん使いやすい制度です。
| 補助率 | 2/3 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(特例で最大250万円) |
| 対象者 | 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下) |
| スケジュール | 第20回:申請受付 2026年11月5日〜12月15日 17:00(事業支援計画書の発行依頼は12月4日まで) |
ECサイト制作費は「ウェブサイト関連費」として対象になりますが、上限は30万円で、ほかの経費と組み合わせないと申請できません。詳しくは持続化補助金(第20回)でネットショップは作れるかで解説しています。
どの補助金を選ぶかが決まったら、次は計画の中身です。持続化補助金の事業計画をEC事業者がどう書くかは持続化補助金の事業計画はECなら数字で書けるで、計算例つきで整理しています。
どのカートを選ぶかで、構築費の見積もりも公開後のランニングコストも変わります。カートごとの費用構造はネットショップ作成サービス6社を「料金構造」で比較で計算しています。
2. デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)
業務ソフトやクラウドサービスの導入費用を補助する制度です。2026年度からIT導入補助金の名前が変わりました。
| 枠 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2(賃金要件を満たすと2/3) | 5万円〜450万円 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 50万円以下の部分は3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超の部分は2/3 | 〜350万円(PC・タブレットは10万円まで、POSレジ等は20万円までを1/2で補助) |
EC事業者が注意したいのは、ホームページ制作やECサイト制作は対象外という点です。対象になるのは、事務局に登録されたITツール(受注管理、在庫管理、会計、決済など)で、申請も登録された「IT導入支援事業者」と一緒に行います。
受注・出荷まわりの作業が増えてきたショップなら、先にどの業務を効率化したいかを決めておくと、ツールを選びやすくなります。業務の見直し方はEC受注業務が回らなくなる境界線を参考にしてください。
今後の締切:2026年10月30日(金)17:00(6次)、12月1日(火)17:00(7次)。5次(9月29日)の受付は終了しています。
3. 中小企業省力化投資補助金
人手不足に対応するため、作業を機械やシステムで減らす投資を支援する制度です。申請の方法が2種類あります。
| 型 | 補助率 | 補助上限 | 受付 |
|---|---|---|---|
| カタログ注文型 | 中小企業1/2、小規模事業者2/3 | 最大1,500万円 | 随時(予算がなくなり次第終了の可能性あり) |
| 一般型 | 中小企業1/2、小規模事業者2/3 | 最大1億円(大幅賃上げ時) | 回次制。第8回は受付終了(2026年10月16日締切) |
第8回(締切 2026年10月16日(金)17:00)の受付は終了しました。第9回は、公募開始 2026年11月上旬・申請受付開始 2026年12月上旬・公募締切 2026年12月下旬が、いずれも「予定」として公表されています(2026年10月19日時点。採択発表日は未公表です)。
カタログ注文型は、事務局のカタログに載っている製品から選ぶ方式で、検品システムや自動精算機などが含まれます。出荷作業に使える製品があるかは、カタログで確認してください。自社で発送を続けるか外注するかの判断は発送を外注すべきかで整理しています。
4. 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
2026年度から、新事業進出補助金とものづくり補助金が一つになった制度です。既存事業とは違う市場への進出や、新しい製品・サービスの開発にかかる設備投資などが対象です。
| 枠 | 補助率 | 補助上限(賃上げ特例時) |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 中小企業1/2、小規模事業者2/3 | 2,500万円(3,500万円)※従業員数で上限が変わる |
| 新事業進出枠 | 中小企業1/2 | 7,000万円(9,000万円)※従業員数で上限が変わる |
| グローバル枠 | 中小企業2/3 | 7,000万円(9,000万円) |
第1回の締切は2026年10月30日(金)18:00です。付加価値額や賃上げの目標を事業計画に盛り込む必要があり、小さなネットショップが「サイトを作りたい」だけで使う制度ではありません。卸からD2Cへの転換や海外向け販売の立ち上げなど、投資規模の大きい計画向けです。
自治体の補助金もあわせて確認する
国の制度のほかに、都道府県や市区町村が独自にECサイト制作や販路開拓の補助金を出していることがあります。「地域名+EC 補助金」「地域名+ホームページ 補助金」で検索するか、地域の商工会・商工会議所に問い合わせると見つけやすいです。同じ経費に国と自治体の補助金を重ねて使えないことが多いため、併用する場合は条件を確認してください。
補助金を使う前に確認したい3つのこと
- 後払い:補助金は事業が終わってから入金されます。いったん全額を支払えるかを確認します。
- 発注のタイミング:多くの補助金は、交付決定より前に発注・契約した経費は対象外です。
- 書類の作成:報酬を払って申請書類の作成を依頼できるのは行政書士です(2026年1月施行の改正行政書士法)。事業計画の相談は商工会・商工会議所でもできます。
まとめ
- ECサイトや広告なら、まず持続化補助金(12月15日締切)を検討する
- ソフト導入はデジタル化・AI導入補助金。ただしECサイト制作は対象外
- 作業の省人化は省力化投資補助金、大きな新規事業は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
参考資料
- 中小企業庁:小規模事業者持続化補助金(第20回)公募要領の公開
- デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト
- 中小企業省力化投資補助金 公式サイト
- 中小企業庁:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募要領の公開
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト
最終確認日:2026年10月19日


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